リモートディスクトップ環境の構築1
今回はこんな話題を。
ある朝のこと「東京オリンピックで出勤ができない社員のために、会社として何か対応をしなければならないのだけどよい案がないか?」と責任者から相談を受けました。
普通に考えて
・一時的にフレックスタイムを導入する
・出社時間を早めるチームと遅くして昼から出勤するチームとに分ける。
など、まずはシステムではなく就業規則などのルールで対応を行うとおもいます。
しかし、情報システム管理者としては「リモート環境を構築して自宅からでも勤務できるようにする」という提言を行いたいものです。
この技術はWindowsXP時代からありました。ただ導入コストが高かったのです。しかし今はクラウドサービスが群雄割拠する時代、色々とクラウド技術を利用したサービスがあります。
さて自分が管理者ならば、
・就業規則の見直しは可能か?それとも運用ルールを一時的に変更することで対応を行うのか?
・システム投資ができるのか?その場合の予算は?
・そもそも出社することが前提?
を確認します。
会社の営業方針や取り扱いしている商材にも影響されますから、一概に「これで決まり!!」なんて方法はありません。宅配業者ならばオリンピック期間中は配達不可能な時間を明示して早朝や夜に配達する、コンビニ配達をお願いする、などの対策しかできないこともあり得ます。
だからこそ、目的を明確にすることが大事です。
ほとんどの会社では
・就業規則の見直しはしない
・運用ルールの一時的な変更で対処したい。
・ある程度の投資はやむ無しだが、なるべく低予算で対処したい
・出社は必要だが、必ず定時に出勤する必要はない。具体的には自宅から午前中に、書類を作成し、お客様の所へ直行し、商談がおわったら会社へ出勤する、などのように時間を有効活用したい。
になるのではないでしょうか?
自分の仕事のやり方は「どうすれば相手の望んでいること引き出すことができるか?」を考えます。太文字で記載したところは「自分が自社商品(商材)を売るならば、こうしたら便利だし目的にも叶うのでは?」とアイデアを考えま、関係者に確認して「そんなことが出来たらイイね」と言われたと仮定して記載しました。
※社内情報システム室は営業や事務など現場の意見を聞いて「どうすれば生産効率があがるか?どうすればセキュリティ対策をおこないつつ便利なシステムが構築できるのか?」など、社内の問題点を地道に洗い出して改善することも仕事の一つと、自分は考えて行動してました。
テクニックは色々とあるけど、このように関係者が本当に望んでいることを聞き出し、稟議書にまとめることが大事です。
稟議書には「投資すべき理由を明記する」ことが必須です。だから「東京オリンピックが開催されるため、観光客の増加により出勤することが困難になることが予想される。ついては出勤困難になる時間を有効活用するため自宅からでも勤務できるリモートオフィス環境を構築する」と目的を記載することになります。
リモートオフィス環境を構築する技術が「仮想ディスクトップ環境」になります。リモートオフィスなので、情報セキュリティは社内規約に準ずる必要があります。具体的には
「USBメモリ等でのデータ持ち出しは禁止」
「ウィルス対策等の対応ができていること」
「誰が、いつ、何を行ったかがわかる」
が該当し、自宅ならではの考慮事項として「印刷をどうするか?」「利用ソフトの制限をおこなうか?」などをかんがえて、責任者や役員に提言する必要があります。
仮想環境での仕事を行う上で必用なソフトも確認し、ライセンス的に仮想環境上での動作が許諾されていることの確認も必要となります。必要最低限のソフトは「業務ソフト一覧」などで一覧としてまとめられている会社も多いでしょうから、このような機会があったら使用許諾条件などを確認してはいかがでしょうか?
さて、投資すべき理由は「出勤困難になる時間を有効活用するため自宅からでも勤務できるリモートオフィス環境を構築する」なので、午前中だけでも仮想環境が利用できればよいことになります。また「ある程度の投資はやむ無しだが、なるべく低予算で対処したい」とい用件から、新規にサーバを購入する、ライセンスを購入することは避けたいところです。
このように、なるべく具体的に用途を絞り混んでいき、SI会社やITコンサル会社へ提案をお願いすると、システム構築時のトラブルが避けられます。今回の要求仕様を満たす製品(サービス)を提案するなら「AWS Workspace」になります。OFFICE365も非常によい製品です。強豪他社の製品(サービス)も素晴らしいのですが、ライセンスを新たに購入する必要があったり、仕事のやり方が劇的に変わる可能性がある商品を、一定期間だけ利用できればよい状態にすることが投資する理由になっている現在の状態ではふさわしくありません。
AWSのよいところをあげると
・月額or従量課金を選択でき、ライセンスを購入したりシステムを構築する必要がない。
・「社員で必要なユーザだけ登録して利用する形」でのサービスで不要な人は除外できる。
・MSオフィス$15で利用できる。
・社内への接続もAMAZONダイレクトもしくはVPNゲートウェイで構築できる
・社内設備の投資が少ない
という理由があるためです。特にライセンス購入が不要という所が大きいです。
詳細はこちらで確認願います。
その他、サービスを提供している会社は下記の通りです。ただしVDIサービスを利用するには「Microsoft 365 E3/E5 : Microsoft 365 A3/A5/Student Use Benefits : Microsoft 365 F1 :Microsoft 365 Business」が必要です。つまりライセンスが必要になるので、どうしても高額になります。office365を導入するには、社内の運用ルールの改定と365の良い所を引き出す社内のルール作りが必要になります。azure.microsoft.com
続く・・・・・