matsuzawa-itの日記

人材派遣でIT系の仕事についている50目前のおじさんのブログです。仕事に追われ、趣味は釣りとロードバイクに乗ることと野菜を育てること。週1回の更新することを目標にボチボチがんばって生息しています。正社員という人並みの身分になれる日は来るのか( ´∀` )

投資すべき理由と要件定義3

今回は、企業の担当者になった気持ちで読んでみてください。

 

まず、販売管理システム(ショッピングカード)では、個人情報を含む情報があります。また商品や配達先、希望の配達時間などが入力されており、最初の配達依頼までは現行システム内で完了しております。

 

問題は自社で配達するユーザの、再配達をどのように処理するか?です。

 

普通、同系のシステムが目の前にある場合、研究して実装されている機能を洗い出し、その機能が自社の業務で必要かどうかの確認し、運用フローを考えつつ、システムに落とし込みを行います。ですが、先発しているシステムはお金も時間もかかっているから、非常に良い機能が実装されておりユーザの使い勝手が状態になっております。

 

例えばLINEと連携とか、自分が不在の時間を事前に登録して時間調整するなどです。

 

このような機能を、単純に「必要」とおっしゃる企業担当者が多いのが現状なのです。心理はわかります。役員に「xxxって機能がない」「使いにくい、デザインが古臭い」「新しい事業に挑戦するので、それに似合ったカッコいいものを」とか、色々なプレッシャーにさらされているます。

だから、先行する他社のシステムと同等であれば、「xxx社と同等です」とか「昨日は負けてません」とか言うことが出来るのです。これらの安心感が、本当に要求する機能から逸脱する、心理的な大きな要因ではないでしょうか?

 

結果として、有名なオレゴン大学の実験の通りなります。左上に書いてあるのが「企業担当者が説明した図(機能)」であり、右下が本当に欲しかった図(機能)になります。

(現代風に直した図を下記に紹介します。)

www.projectcartoon.com

最初に説明した図(機能)は、どこから導き出されているかというと、稟議書です。稟議書の内容を確認すると

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宅配事業を立ち上げるため、小さな宅配業者を集めるという方針が決定したため、宅配業者に仕事を一括発注できるシステムを構築する必要がある。また小さな会社では再配達時間指定システムがないので、再配達期日時間指定システムを構築する必要がある。そのため受発注システムと再配達以来システムを構築する。システムはクラウド上に配備しクリスマスなどの特定イベントで取扱量が増えても対応できるようにする。詳細は別紙の通り、予算はxxxx万円の費用がかかり、xx年xx月から稼働できるように準備を行う。

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となってます。ここで重要なのは「小さな会社では再配達時間指定システムがないので、再配達期日時間指定システムを構築する必要がある」の部分です。

 

稟議書は役員に説明するために、本当に欲しい機能を端的に書き表しています。これが「投資する理由」であり、要求定義を行う上で必要になる「要求仕様」の種なのです。

 

本当に必要な機能を要求するための要求仕様が増えるのは良いことです。ですが要求仕様を作成する、元になった種は「稟議書=投資すべき理由」に直結していますか?単純に「他社が実装している」「どうせなら良いもの(軽自動車よりも普通乗用車)が欲しい」「違う部署の責任者に言われた」など、投資すべき理由に直結していないことはありませんか?

 

要求仕様や要件定義を行う時には「稟議書の内容=投資すべき理由」を常に意識してほしいです。